北斜面に建つ別荘である。軽井沢で永く別
荘生活を経験してきた建て主は、カビに悩まされた経験から、よりコンパクトでメンテナンスの楽な別
荘を求めていました。敷地として選んだ佐久は、軽井沢より標高が低い分若干気候が穏やかで乾燥していますが、北斜面
の敷地に埋まらないように用心して、鉄筋コンクリートの地階を造りそのうえに木造の軸組が載っています。外壁はキツツキによる被害を避けるため金属板にしていますが、全て金属では見た目にさびしいので、大掛かりな足場が無くともメンテナンスができる部分の外壁に木を使っています。石油ストーブの排熱回収をして床下に吹き込み床暖房をしたり、蓄熱を期待して、既製品の電熱床暖房用潜熱蓄熱体を敷並べていますが、これらがかなり有効に効いているようです。建て主は大変器用な趣味人で、この山荘を御自分で作ったオブジェや集めた小物を並べる場所として考えられていました。郵便ポストは、建て主が現場の端材を使い1/30ぐらいで器用に作られた建物のミニチュアです。竣工直後の少しとげとげした雰囲気のする建物が、ほんの小さな物によって生き生きと見えてくるのは毎度ながら不思議で、住宅は住みこなされて完成するということを実感しました。